皆様、こんにちは。ハンズバリュー株式会社の島田です。
今号では、次年度の経営指針づくり、気になったニュース、そして「個人目標は誰のものか」というテーマについてお届けします。
社内で回覧していただいているお客さまがいらっしゃいました。ありがとうございます。著作を明記していただけるのであれば、自由に配布ください。
メールマガジンの感想、お待ちしております。「読んでるよ」と言っていただければ励みになります。
[ 島田の独り言 ]
❶ 8月が決算月です。次年度の経営指針書を書くために、戦略フレームを一から組み直しました。生成AIチームに壁打ちを頼んだら「理念とビジョンはある。でも戦略がない」とバッサリ。確かに、その通りです。AIに叱られて目が覚めました。
❷ 6月22日に勉強会「変革者の円卓会議」を開催します。テーマは自社の強みの深掘り。山形県中小企業家同友会の新庄最上支部で大変好評だったセミナーを、少人数でもう一度やります。ご興味ある方、ぜひお声がけください。
❸ 坊やが「ちいかわ」にはまっています。推しは「栗まんじゅう」らしく、得意げにものまねを披露してくれるのですが、父はちいかわを知らないので似ているのかどうか判定できません。保育園では見せなかった一面で、子供の成長は突然やってきますね。
[ 島田の気になるニュース ]
❶ AIで労働者を監視し、搾取するように見える動画が大炎上していました。人力、AI学習、モデル化、AI強化のサイクルがどんどん進んでいくことに恐ろしさを感じます。
AIと労働監視の記事を読む
❷ カフェイン入りのコーヒーや紅茶を毎日数杯飲むと認知症リスクが低減、という新研究。気がついたら一日の水分補給が全部コーヒーだった、という日もあり、体にいいのか悪いのか考えものですね。
コーヒーと認知症リスクの記事を読む
❸ 政府の企業向け補助金について、情報サイトで窓口を一本化するという話がありました。便利なのは間違いないし、誰もが望むこと。できれば県や市町村の補助金もカバーしてほしいところです。
補助金情報の窓口一本化の記事を読む
超・島田理論:個人目標は誰のものか
先日、ある支援先の社長と個人目標の話になりました。
「うちの会社でも従業員に個人目標を書かせた方がいいんでしょうか」
僕はしばらく黙りました。
世の中の人事制度の教科書には、こう書いてあります。「従業員一人ひとりに個人目標を書かせましょう。評価面談で振り返りましょう。PDCAを回しましょう」。大企業がやっているから、うちもやらなきゃ。そう思って導入する中小企業は少なくありません。
でも、現場で何が起きているか。従業員は何を書けばいいか分からない。当たり障りのないことを書く。上司もどう評価していいか分からない。半年後の評価面談で「あ、書いてましたね」と読み返す。翌年も同じことを書く。
僕が見てきた中小企業の多くで、個人目標シートは「書いたことにする儀式」になっていました。
個人目標を書くのは、実は高度な知的作業です
個人目標を書くという行為は、実はとても高度な知的作業です。自分の現状を言語化し、課題を構造化し、具体的なアクションに落とす。これ、経営者でも難しいんです。
僕自身、自社の経営計画を作る時に何日も唸りました。会社の方向性がはっきり見えていて、その上で「じゃあ自分は何をすべきか」を考える。この「会社の方向性」という土台がなければ、個人目標は宙に浮きます。
白紙の画用紙を渡されて「自由に絵を描きなさい」と言われたら、大人でも困るでしょう。でも「この風景を描いてみて」と言われたら筆が動く。個人目標も同じです。
会社の方向性がなければ、目標は宙に浮く
「今年は売上を伸ばしたい」「もっと主体的に動いてほしい」。この言葉だけでは、従業員は何を変えればいいのか分かりません。
会社として、どのお客様を大切にするのか。どの商品やサービスを伸ばすのか。何をやめ、何を増やすのか。経営者がそこを示して初めて、従業員は自分の仕事との接点を見つけられます。
個人目標の前に必要なのは、会社の方向性です。会社の目標がぼんやりしている状態で、従業員だけに具体性を求めるのは順番が逆なのです。
役割は、白紙ではなく対話から生まれる
僕が勧めるのは、従業員にいきなり目標を書かせることではありません。まず経営者が会社の方針を示し、その上で「あなたの仕事の中で、この方針に関係することは何だろう」と一緒に考えることです。
たとえば旅館なら、「今年は平日の稼働率を上げたい」と会社が決めたとします。そうすると、フロント、調理、清掃、予約担当、それぞれにできることが見えてきます。
フロントなら、常連のお客様に次回の平日利用を提案できるかもしれません。予約担当なら、平日限定プランの見せ方を変えられるかもしれません。清掃担当なら、平日に来たお客様が「また来たい」と思える小さな気づきを共有できるかもしれません。
こうして初めて、個人目標は「会社の紙」ではなく「自分の仕事の言葉」になります。
評価シートではなく、会社と個人をつなぐ言葉にする
個人目標は、社員を縛るためのものではありません。評価のためだけに書くものでもありません。
本来は、会社が進みたい方向と、一人ひとりの役割をつなぐための言葉です。だからこそ、経営者が先に方向性を示し、従業員と対話しながら、本人の仕事に落とし込む必要があります。
白紙を渡して「考えてきて」ではなく、「会社はここへ行きたい。あなたの仕事なら、どこで力を発揮できそうか」と問いかける。
この順番を守るだけで、個人目標は儀式から実践に変わります。
個人目標や経営指針を、会社で使える言葉にしたい経営者の方へ
従業員に目標を書かせる前に、会社の方向性をどう整理し、どう対話に落とすか。ハンズバリューでは、経営指針づくりや社内目標の整理を現場目線で支援しています。
今週もどうぞよろしくお願いいたします。
良い学びを。
