事業縮小で会社をたたむには?手続きの流れと経営者が考えるべき3つの選択肢

この記事の著者

島田慶資(しまだ けいすけ)
ハンズバリュー株式会社 代表取締役
認定経営革新等支援機関
延べ300件以上の経営相談実績
ニッキンオンライン連載中(2026年5月〜)

こんにちは、ハンズバリュー株式会社の島田慶資です。

「事業を縮小して、会社をたたみたい」——延べ300件以上の経営相談を受けてきた中で、最も重い相談のひとつです。

後継者がいない、借入金の返済が厳しい、従業員が集まらない。理由はさまざまですが、会社をたたむという決断は経営者にとって簡単なものではありません。

この記事では、会社をたたむ場合の具体的な手続きの流れを解説します。そして最後に、廃業以外の選択肢——M&Aや事業承継——についてもお伝えします。

一般論による会社のたたみ方

会社をたたむ際には、まず「解散」という手続きが必要です。

解散とは、会社の営業活動を終了することを意味します。
ただし、解散しただけでは会社がすぐになくなるわけではありません。

解散後は、清算という手続きを行うために会社は存続します。
清算手続きが完了すると、会社は法的に消滅します。

自主的に会社をたたむ場合、以下の手続きを踏む必要があります。

  1. 株主総会で解散の決議をします。
    この決議は特別決議と呼ばれ、発行済株式総数の過半数の株式を有する株主の出席と、その議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
    同時に、清算人も選任します。清算人とは、解散後の清算事務を行う人のことで、通常は取締役が就任します。
  2. 解散の日から2週間以内に、法務局に解散と清算人選任の登記を申請します。
    この登記により、会社の解散と清算人の選任が公式に記録されます。
  3. 会社を解散したら、税務署、都道府県税事務所、市区町村役場、社会保険事務所、ハローワーク、労働基準監督署などに解散の届出をします。
    これにより、各機関に会社の解散を通知し、必要な手続きを進めることができます。
  4. 清算人は就任後すぐに会社の財産を調べ、財産目録と貸借対照表を作成します。
    これらの書類は、会社の財産状況を明確にするために必要です。
    作成後、株主総会で承認を得ます。
  5. 清算人は、会社の債権者に対して、2ヶ月以上の一定期間内に債権を申し出るように官報に公告します。
    また、把握している債権者に対しては個別に催告します。債権者の権利を保護するための手続きです。
  6. 解散日から2ヶ月以内に、事業年度開始日から解散日までの確定申告を税務署に行います。
    解散までの期間の税務処理が完了します。
  7. 清算人は、会社の売掛金や貸付金などの債権を回収し、買掛金や借入金などの債務を支払います。
    処理が終わると、残った財産が確定します。
    確定した残余財産は、株主に分配します。
  8. 残余財産が確定してから1ヶ月以内に、税務署に清算確定申告をします。
    申告により、清算期間の税務処理が完了します。
  9. 清算人は決算報告書を作成し、株主総会を開催して清算事務報告の承認を得ます。
    この報告により、清算手続きが適切に行われたことを株主に説明し、了承を得ます。
  10. 株主総会の承認後2週間以内に、清算結了の登記申請をします。
    ただし、債権者保護手続きを経る必要があるため、解散から2ヶ月経過後でないと受理されません。
    清算結了登記により、会社の清算が完了し、法的に消滅します。
  11. 清算結了後、税務署や都道府県税事務所、市区町村役場などに清算結了の届出をします。
    各機関に会社の清算結了を通知し、必要な手続きを完了します。

会社をたたむ手続きは、専門的な知識が必要な複雑なプロセスです。
手続きに不安を感じる場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家の助言により、スムーズに手続きを進めることができます。


廃業以外の選択肢

会社をたたむ手続きは、ここまで説明したとおり複雑で、解体費用や清算費用も発生します。

しかし、会社をたたむ前に検討していただきたい選択肢があります。

■ M&A(事業譲渡)
会社を第三者に引き継いでもらう方法です。従業員の雇用を守り、取引先との関係を維持できる可能性があります。廃業では得られない譲渡対価を受け取れることもあります。

■ 事業承継
親族や従業員に経営を引き継ぐ方法です。家族信託を活用した段階的な承継も可能です。

■ 経営改善
資金繰りの改善や事業計画の見直しにより、事業を継続できるケースもあります。金融機関との交渉(バンクミーティング)を通じて、返済条件を見直す方法があります。

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