ラーメン店主をサポート①

注意:この物語はフィクションであり、架空の設定・登場人物・シチュエーションを使用しています。ハンズバリュー株式会社の経営支援のスタイルや考え方を分かりやすく伝えるためにショートストーリー形式で表現しています。

山形県と福島県で新卒採用のコンサルティングを行っているハンズバリュー株式会社、コンサルタントの津名具ハナコです。
今回はラーメン屋さんの支援です、頑張るぞ!!

 バレンタインデーも過ぎた2月中旬。極寒の山形、11時49分。ハンズバリュー若手社員の津名久ハナコは1本の電話を受けた。相手は元気銀行南支店の長谷川。融資先のラーメン屋さんが経営に不安があるので、相談に乗ってほしいとのことだった。

 「承りました!!すぐ訪問します!!」
ちょうど大きな仕事がひと段落したところだ。よっしゃ!!任せとけ!!鼻息荒く返事をするハナコ。

 「え、あ、・・・それは助かります。津名久さんの来週のご予定はいかがでしょう?」長谷川の声を聴きながら、ハナコが目の端で時計を捉えると、ちょうど12時を指すところだった。(お腹がすいたなぁ。今日のお昼はラーメンにしよう!)

 翌週火曜、ラーメン屋さんに到着。度胸はあるつもりだが、お客様に初めて会うときはいつも緊張する。ハナコは深呼吸をすると口角を上げ、暖簾をくぐった。
 建物は少し古いが、キレイに掃除されているようだ。カウンターの向こうから「いらっしゃい!」と年配の男性が応じる。エプロンで手を拭きながらにこやかに出てきたのは、やはり年配の女性。
 「こんにちは!ハンズバリュー株式会社の津名久ハナコと申します。元気銀行南支店の長谷川さんからご紹介を受けて来ました。お悩みを教えていただけませんか?」コンサルタントは第一印象が大事!とっておきの笑顔で、親しみやすさもばっちり出せたぞ!と思った瞬間、ハナコお腹がグーっと鳴る。
「……その前に、味噌ラーメンの大盛りをお願いします!!」

・店名:「有限会社 山形ラーメンきらり」
・直近決算
損益計算書より抜粋
売上高: 1300万円、原価480万円、営業利益▲550万円(減価償却費はなし)
貸借対照表より抜粋
現預金:400万円※直近の試算表では、100万円まで減少
長期借入金: 新型コロナ特別貸付で300万円のみ。返済は始まっていない。
・立地: 山形市の住宅街にある小さなラーメン店
・席数: 17席(カウンター5席、テーブル12席)
・メニュー: 醤油ラーメン750円、味噌ラーメン850円、チャーシュー麺1,050円、特製やまがたラーメン1,050円。1番人気は醤油ラーメン。
・従業員: 店主夫婦のみ(平均年齢65歳)
・スープ: 手作り。毎朝2時からスープ仕込みをしている。水道光熱費を抑えるため、新たに電気代の見直しを行っている。
・家賃: 相場より安く大家さんから貸してもらっている。
・営業時間: 11:00〜15:00(ラストオーダー14:30)※火曜日、水曜日定休
・特記事項:コロナ関連の補助金を活用して、冷凍機の自動販売機を購入。特製ラーメンを冷凍にして販売始めた。売上は徐々に上がってきている。知人からInstagramをすすめられたのでアカウントは作ったが運用していない。

 「ふーっ、美味しかったー!」ハナコはあっという間に間食し、満足げにため息をついた。店主たちは驚きの表情でハナコを見つめている。スープまで完食する女性は珍しくないが、彼女のスピードは驚愕に値する。

 「このラーメン、すごく美味しいですね!!私すっかりファンになってしまいました!」
 警戒していたのか、最初は固かった店主たちの表情が緩んだようだった。「ありがとうございます。でも、コロナ禍でお客様が減ってしまって……」店主は肩を落とすが、ハナコは元気よく応じる。

 「大丈夫です!このラーメンなら、きっとたくさんの人に喜んでもらえますよ!私、友達にも絶対に勧めますから!」ハナコは自信たっぷりに宣言した。「だといいんだけどね・・・」ポジティブな姿勢に影響されたのか、言葉は弱気だがハナコを見つめる店主の目には期待が漂っている。

 ハナコは店主たちと意見を交換した。
 現状の問題は、①売上が低迷していること、②売上不振による資金繰りの苦しさ、③高騰する電気代が経営を圧迫していること。
 具体的な経営課題としては、①新型コロナウイルス感染症の影響でお客様数が減ったこと、②月次で50万円以上の資金繰り改善、③異常な電気料金の値上がり、があることが明らかに。加えて、ラーメンスープを作る原材料費が高騰していることも課題として浮き彫りになった。

 ハナコは心を込めてアドバイスをした。
「本当に美味しいラーメンです。みんな、これからもずっーとこのラーメンを食べたいと願っていると思いますよ。だから、身体が資本です。身体に無理がない作戦を考えましょう。」

 店主は少し考えてから力強く頷いた。表情がずいぶん明るくなっている。「わかった。何ができるのか一緒に考えて欲しい」と短く答えた。

 ハナコは頭をフル回転させ、今後の方針について考えを整理した。売上不振や高騰する原材料費に悩まされる店主たちを支援するには、どのようなアプローチが最適なのか。

 空のラーメンどんぶりを睨みつけ黙り込んでしまったハナコに、店主がそっと「足りなかったかい?お代わり持って来ようか…?」と声をかけたが聞こえていないようだ。

 やがて店主に向き直ったハナコは、不敵に微笑む。「まずは、止血作戦を考えましょう」

つづく!

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