皆様、こんにちは! ハンズバリュー株式会社の島田です。
※社内で回覧していただいているお客さまがいらっしゃいました。ありがとうございます!!
著作を明記していただけるのであれば、自由に配布ください。
変革者の円卓会議で一緒に勉強しましょう。
次回: 9月19日(土)10:00〜12:00 生成AI × 経営実践(Zoom)
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島田の独り言
❶ 福島県中小企業家同友会のいわき支部で、体験報告をさせていただきました。中小企業が生き残るための条件を、少しでもお伝えできていたら嬉しいです。懇親会では逆に「会員増強の方法」「例会運営(昼の部・夜の部)」「卓越した経営」について皆様から教えていただく側に回ってしまい、僕自身が一番勉強になりました。おかげでいわきがますます好きになりました。
❷ 山形県中小企業家同友会の「経営指針をつくる会」で、方針から経営戦略への落とし込みについて講義をおこないました。経営指針書を作った後、更新や実践が続かない修了生を見ていて感じるのは、多くの場合「方針の作り方」自体でつまずいているということです。現状認識をきちんとした上で、段階を踏んで挑戦していくこと。現実というのは、考え方次第で実は優しいものだと思っています。ダメなものはダメだと、はっきり失敗を突きつけてくれるからです。大事なのは失敗したという事実そのものではなく、その現実が自分に何を伝えようとしているのかを読み取ることではないでしょうか。
❸ お客様から息子に「おぼんだま」をいただき、お礼の手紙を一緒に書きました。夏休みの宿題の1行日記にはあれほど抵抗するのに、「お手紙を書いたらトミカが買える」となった途端、自主的かつ積極的に筆を執る息子。現金なものですが、これもまた人情というものかもしれません。経営に活かせないか、少し考えてみようと思います。
島田の気になるニュース
❶ コメ余りでも倉庫ガラガラ 価格急落を恐れ仕入れ抑制 政府は備蓄米の早期買い戻しを断念
すでに赤字だったと、農家の方から教えていただきました。これでは誰も得をしません。何度もお伝えしている通り、削りきった生産体制に需要予測の外れが重なり、わずかな供給不足がぶつかったことが米不足の原因です。総括はすでに済んでいます。そもそも正確な需要予測などできるはずもないのに、それを放置してきた政治の責任は重大です。
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❷ 中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金、第6次公募を開始
経済産業省が、地域の雇用を支える中堅・中小企業の大規模投資を後押しする補助金の第6次公募を開始しました。
・補助対象者:中堅・中小企業、スタートアップ企業(常時使用従業員2,000人以下)
・補助上限額:50億円
・補助率:1/3以下
・補助対象経費:建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
文句なしの現在進行形、最強クラスの補助金のひとつです。
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❸ ドイツ人が嘆く、ドイツの税制
日本も他人事ではありませんが、ドイツでは額面が1,000ユーロ増えても手取りが減ってしまうケースがあります。3,000ユーロ多く稼いでも、手元に残るのはわずか300ユーロ増えるだけ、ということも。追加で稼いだ1ユーロごとに住宅手当・子供手当・控除額が引き下げられ、同時に税金と社会保険料が上がる「移転引き上げ率」という仕組みが原因です。経済学者は何年も前から指摘し、連邦政府も報告書を依頼しましたが、何も変わらないとのこと。日本で言われている"海外の方が生産性が高い"という戯言の見方が変わりませんか?働いてもどうしようもない仕組みがあるわけです。
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常識: 商圏は地図の上で狭めるべきだ
逆転: 商圏は「地図」ではなく「課題」の上で狭める
島田慶資の逆転思考
— 不利な条件を武器に変えた経営者の物語 —
ある地方の工務店を支援した時の話です。
社長は経営セミナーで「ランチェスター戦略」を学んできたところでした。開口一番、こう仰いました。
「島田さん、うちは市内に絞るべきですかね。狭い範囲で1位をとれ、って習ったんですけど」
従業員8名の工務店です。新築は年に3〜4棟。リフォームが売上の6割を占めている。お客様は市内が中心ですが、隣町や郡部にもOB施主さんからの紹介で仕事が広がっている。商圏は車で40分圏内といったところ。
「エリアを狭めて、市内で1位になれ」。セミナーではそう言われた。しかし市内には大手ハウスメーカーの営業所が3つ、地場の工務店が十数社ある。広告費もモデルハウスもない状態で、市内で総合1位など取れるはずがない。
僕には、答えのおおよその見当はついていました。ただ、コンサルティングの現場では、答えを先に申し上げてしまうと、ほとんどの場合うまくいきません。「島田さんがそう言うなら」で始まった施策は、現場で続かないからです。
ですから僕の仕事は、答えを言うことではなく、経営者が答えにたどり着くための問いを、適切な順番で置いていくことです。
転換点1 — 「大手さんは、断熱リフォームやりますか」
僕はまず聞きました。「最近、一番手応えがあった仕事って何ですか」
社長の顔がぱっと明るくなりました。「断熱リフォームですね。築30年くらいの木造住宅の断熱を全部やり直す仕事。光熱費が月1万5千円下がったって喜んでもらえて」
「そのお客様は、どうやって御社を見つけたんですか」
「近所のOB施主さんからの紹介です。『あそこの工務店は断熱に詳しい』って」
「ちなみに、市内の大手さんって、断熱リフォームやりますか」
社長は首を傾げました。「やらないですね。新築で高気密高断熱は売りにしてますけど、既存住宅のリフォームは……。あの規模だと、1件200万円の断熱リフォームより、3,000万円の新築を売った方が効率がいいですから」
そうなんです。大手ハウスメーカーにとって、断熱リフォームは効率が悪すぎてやれない仕事です。彼らの強みは規模と広告量ですが、それは同時に「小さな仕事を丁寧にやると赤字になる」という構造的な制約でもある。
転換点2 — 「そのお客様は何に困っていましたか」
「断熱リフォームを頼んでくださったお客様、最初はどんな相談でしたか」
「最初は『冬、居間が寒い。暖房費が高い』っていうだけの話でしたよ。窓を二重にするとか、そのくらいのつもりで来られて」
「それが全面断熱リフォームになったのはなぜですか」
社長が少し笑いました。「壁を開けて見せたんです。断熱材がほとんど入ってなくて。『窓だけ変えても、壁と天井から熱が逃げてますよ』って説明したら、『全部やってください』と」
「壁を開けて見せた。それ、大手さんにできますか」
社長の手が止まりました。
「……できないですね。うちは現場に僕が行って、その場で判断して、お客さんに見せながら説明できる。大手さんは営業マンが見積もりを持ってくるだけで、壁を開けて一緒に見るなんてことは仕組み上できない」
「その『壁を開けて一緒に見る』が、御社だけにできることだとしたら。市内に絞って新築の棟数を競う必要がありますか」
社長がゆっくり首を振りました。「土俵が違いますね」
転換点3 — 「1位の地図は、もう描かれていませんか」
途中、話題が少しそれました。社長が最近困っていることを話してくれたのです。
「実は、隣町のお客様から断熱の相談が増えてるんです。車で40分かかるんですけど。あと先月、郡部の方からブログを見たって電話が来て」
「ブログ?」
「はい。うちの棟梁が断熱工事の施工写真を載せてるんです。壁の中の状態とか、どう改善したかとか。それを見て『この人に頼みたい』って」
「そのお客様は、地図の上で近い工務店を探したんですか」
「違いますね。『断熱リフォームを分かっている工務店』を探して、うちに来た」
僕は聞きました。「もし市内に絞っていたら、その方の相談は断っていましたか」
社長がしばらく黙りました。そして、ぽつりと言いました。
「うちの商圏って、地図の上の丸じゃないですね。『築30年くらいの木造住宅に住んでいて、冬の寒さに困っている人』がいる場所が、うちの商圏なんだ」
翌月から、この工務店は方針を変えました。
地図を狭めるのではなく、「誰の・どんな困りごとに対して1位か」を言語化することにしました。
「築25〜40年の木造住宅で、冬の光熱費と寒さに困っている施主」。これがこの工務店の1位の領域です。このセグメントでは、大手ハウスメーカー3社も地場の十数社もほとんど競合にならない。大手は効率の壁で手を出せない。地場の多くは断熱の知見がない。
不利だと思われていた「大手に広告費で勝てない」は、「大手が構造的にやれない仕事を持っている」という強みに反転しました。
不利だと思われていた「商圏が広い」は、「課題のある場所から指名で声がかかる」という到達力に反転しました。
不利だと思われていた「セミナーの教えに従えない」は、「そもそも地図の上の戦いではなかった」という事業構造の理解に反転しました。
棟梁のブログは、その後も続いています。壁を開けた写真、断熱材を入れ替える手順、施工前後のサーモグラフィ。営業パンフレットではありません。現場の記録です。でもそれが、地図上では遠いお客様を、課題の地図の上で引き寄せている。
ランチェスター戦略の「狭い範囲で1位をとれ」は正しい。ただし、「狭い範囲」を地図の上で測る必要はない。業種の狭さ、課題の狭さ、技術の狭さ。狭める軸は、事業の構造によって変わります。
僕たち外部の人間の仕事は、経営者ご自身が答えにたどり着くための問いを、適切な順番で置いていくことです。答えはいつも、経営者ご自身の中にあります。僕たちは、その場所を、問いを通じて指さしているだけなのです。
皆さんの会社は、どの地図の上で戦っていますか。「市内で1位」を目指して大手と消耗戦をしていませんか。
もしかすると、皆さんの会社にも「壁を開けて見せられる仕事」があるかもしれません。その仕事がある場所が、皆さんの本当の商圏です。
変革者作家・島田慶資
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今号の相談テーマ: 「自社の商圏や強みを、地図の上でしか考えたことがない」→ 強みの棚卸し・商圏の再定義30分・無料
島田慶資に相談できること
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