週刊島田慶資|借り換えは、確実に金利が上がります

皆様、こんにちは! ハンズバリュー株式会社の島田です。

出典を明記していただけるのであれば、自由に配布ください。

変革者の円卓会議で一緒に勉強しましょう
次回: 2026年11月21日(土)財務セミナー① 損益計算書を武器に変える(対面・従業員同伴可)

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[ 独り言コーナー ]

❶ 円卓会議で、生成AIの勉強会をおこないました。各社が今どう使っているのかを持ち寄っていただいて、僕にとっても有益な時間になりました。当社は社内の効率化のためのシステムだけでなく、お客様の経営支援そのものを動かす仕組みまで生成AIと一緒に作っています。そのぶん、お渡しできたものもあったのではないかと思います。活用に正解はありません。だから、会員同士で発表会ができると面白いのではないかと思っています。僕もイチ会員として発表する側です。どうでしょうかね。

❷ 晩ご飯を僕が作るときがあります。鶏のささみで焼きフライをつくりました。フライパンに油が余っている。もったいないので、ふかし芋に片栗粉をまぶして、その油で揚げ焼きにしました。なんちゃってフライドポテトです。芋がぐんぐん油を吸い込んでいきます。おいしい。太る理由を、自分の手で発見してしまいました。

❸ 坊やがリハビリを受けています。先生が持っていたレゴの車がどうしても欲しくなって、妻におねだり。数日間のお片づけチャレンジが始まりました。リビングに散らばったレゴブロックとトミカ、車の消しゴム、拾ってきたセミの抜け殻を片付けて、整理と整頓された状態を維持できればゴール。無事に買ってもらえました。そして今、リビングは元の状態に戻っています。

[ 島田の気になるニュース ]

第9回 旅館の公式ホームページは、なぜ「主役」を間違えるのか
ニッキンONLINEの連載、最新回が配信されました。試しに、自社の強みを5つ挙げてみてください。そのうえで、自社のホームページを眺めてみる。5つとも、そこに載っているでしょうか。載っていない強みがあるなら、それは戦略の失敗ではなくケアレスミスです。書けば済む。記事では、旅館を事例に解説しています。
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防衛装備庁主催のシミュレーションコンテスト「第5回 空戦AIチャレンジ」を開催
防衛装備庁が、戦闘機の行動判断をするAIを一般から募っています。コンペのプラットフォームに空戦シミュレーターを置いて、そこに人材を探しに来ている。今回は2026年8月28日から12月4日まで、年齢制限のないオープン部門と、若手向けのユース部門の2つです。評価の基準も変わって、勝ち負けだけでなく、誘導弾の命中率や決着までの時間まで見るようになりました。ウクライナとロシアの戦争を見ていると、ドローンのパイロットのような、これまで存在しなかった人材が要るのだと分かります。募集の仕方まで変わってきている。面白い取り組みですね。
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自民・宮沢洋一氏「消費減税の財源見当たらず」 補助金見直し不十分
消費税は欠陥だらけの税制なので、僕は廃止が妥当だと思っています。ただ、この記事の読みどころはそこではありません。財務省が何を考えているのかは、宮沢氏の発言を追いかけるとよく分かります。そもそも、事業者に課す税率を食料品に限って下げて、そのうえで消費者に補助金を出す。何をしているのか分からなくなります。簡素・公平・中立。この3つの言葉を3回読んでから、もう一度議論してほしいと思います。
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今週の経済入門

— 経営者が知っておきたい経済ニュースを、秘書ヒデコが翻訳します —

勝瀬ヒデコ

皆様、ご機嫌いかがでしょうか。ハンズバリュー株式会社の秘書・勝瀬ヒデコです。
今週も、私たち地方中小企業を取り巻く経済のリアルを、なるべく専門用語を使わずに紐解いてまいります。

9月8日、日本銀行が8月の「貸出・預金動向」を公表しました。銀行の貸出は前年より 5.36%増。数字だけ見れば、銀行はお金を貸している、資金は世の中に回っている、ということになります。

その配信メールを眺めていた島田が、ひとこと。
「この中に、なんか面白いものはある?」

——ございました。しかも、皆様の決算書にもう出ている数字です。

本日のテーマ『借り換えは、確実に金利が上がります』

「5.36%増」は、どこの話なのか

まず、この5.36%を業態別にほどいてみます。

誰が貸したか(2026年8月・前年比)

・都市銀行など大手 …… +7.86%
・地方銀行 …… +4.11%
・信用金庫 …… +1.97%

伸びているのは大手銀行です。信用金庫は2%に届きません。信用金庫は、私たち地方の中小企業のメインバンクです。つまり「貸出が5%以上伸びた」というニュースは、皆様の会社のことをほとんど語っていません。

自社の実感と新聞の見出しが合わないとき、たいていは分母が違うのです。皆様の感覚のほうが正しい。

本当に効いているのは、こちらの数字です

もっと大事な数字があります。貸出約定平均金利のストックというものです。

新しく借りるときの金利ではありません。いま返済中の借入れ全部の、平均の金利です。皆様がすでに背負っている借入れの、レンタル料の平均だとお考えください。

・国内の銀行 …… 2022年1月 0.796% → 2026年7月 1.483%
・信用金庫 …… 2022年1月 1.427% → 2026年7月 1.829%

国内の銀行で 0.687ポイント上がりました。4年半で、ほぼ倍です。

ここで、島田から補足が入りました。
「中小企業は、証書貸付を約定どおり返している限り、金利は変わらないよ。変動金利で借りているという話は、あまり聞いたことがない」

そのとおりです。この0.687ポイントは、あくまで全国の平均であって、皆様一社の契約書に書かれた利率が勝手に上がるという意味ではありません。固定金利で借りて、約定どおり返しているだけなら、支払利息は増えません。

では、なぜ平均が上がるのか。上がる理由は2つだけです。

① 借換えたとき・新しく借りたとき
古い低い金利の借入が返し終わり、今の金利で借り直した分に置き換わっていきます。帝国データバンクの調査では、2024年度の企業の平均借入金利は1.20%へ上昇し、上昇幅0.16ポイントは2006年度の調査開始以降で最大でした。その要因として挙げられているのが、コロナ融資の借換えです。ゼロゼロ融資の返済が本格化し、借り直しの場面が今まさに来ています。

② 短期プライムレート連動で借りているとき
日本銀行は法人向け貸出を「固定金利」「長期プライムレート連動」「短期プライムレート連動」「市場金利連動」に分けて集計しており、信用金庫にもそれぞれの区分があります。この短プラが、17年半ぶりに動きました。

・2009年1月〜2024年8月 …… 1.475%(15年半、一度も動かず)
・2024年9月 …… 1.625%
・2026年2月 …… 2.125%
・2026年8月 …… 2.375%

2年で0.9ポイントです。「変動金利なんて聞いたことがない」と感じるのは自然なことで、実際、私たちが商売をしてきた期間のほとんど、短プラは1.475%で止まっていました。動かないものは、意識に上りません。動き始めたのが、この2年です。

では、借り換えたらいくら増えるのか

①に当たる会社、つまりこれから借換えや追加の借入をする会社が、いくら背負うことになるのかを金額に直します。0.687ポイントを借入残高に掛けるだけです。

年間の支払利息の増加(2022年1月の水準から借り換えた場合)

・借入 3,000万円 …… 約21万円
・借入 5,000万円 …… 約34万円
・借入 1億円 …… 約69万円

借入5,000万円の会社で、年間34万円。何も注文していないのに、約34万円が毎年出ていくようになります。しかも、この34万円には売上も、仕入も、人の手も一切ひもづいていません。純粋に、利益からだけ引かれます。

昨年からの1年でも、国内の銀行のストック金利は1.137%から1.483%へ上がりました。この流れはまだ途中です。借換えの順番は、いずれ全社に回ってきます。

もう一つ、地方銀行の足元で起きていること

預金と貸出の比率(預貸率)も見ておきます。地方銀行は 76.1%。2018年以降でいちばん高い水準です。預金の伸びは1年前の+1.58%から、+0.89%へ半減しました。

平たく申し上げると、地方銀行は、貸すための原資の余裕が減っています。お金が都市部へ流れ、地方に残る預金が細っている。この状態で金利が上がると、銀行は貸出先を選びます。選ばれる側になる準備が、来年以降の話ではなく、今年の話になりました。

今週、皆様にお願いしたいこと

難しいことは申し上げません。2つとも、5分で終わります。

ひとつ目。お手元の試算表を開いて、「支払利息」の欄を、3年前の同じ月と見比べてください。

金額が増えていたら、それは景気でも、社長の経営判断のせいでもありません。金利という、会社の外側で決まったコストです。そして、増えた分だけ、皆様は今より多く稼がなければ、去年と同じ利益になりません。

ふたつ目。金銭消費貸借契約書を1枚だけ出して、利率の欄を見てください。

固定と書いてあるのか、それとも「短期プライムレートに連動」と書いてあるのか。ここだけです。増えていなかった会社ほど、この確認に意味があります。固定なら、今は安全です。ただし、その借入を返し終えて借り換える日に、今の金利へ乗り換わります。いつ借換えが来るかは、償還予定表に書いてあります。その日が、皆様にとっての「金利上昇の日」です。

数字が出たら、次は銀行との話です。金利の引き下げ交渉ができるかどうかは、決算書の中身と、日頃どれだけ情報を出しているかで決まります。黙って払い続けている会社と、毎月きちんと数字を見せている会社では、同じ決算書でも扱いが変わります。

金利が上がる時代は、財務を見ている会社と、見ていない会社の差が、そのまま利益の差になって出てきます。逆に申し上げれば、ここは努力が数字に直結する、数少ない領域でもあります。

まずは支払利息の欄から。受けて立ちましょう。

(出典: 日本銀行「貸出・預金動向」2026年8月速報/「貸出約定平均金利」2026年7月=時系列統計データ検索サイトより2026年9月8日取得、9月16日に再取得して一致を確認。短期プライムレートは日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」。金利形態別の区分は日本銀行「金融システムレポート」2026年4月号 図表Ⅲ-1-12。平均借入金利1.20%は帝国データバンク「全国平均借入金利動向調査(2024年度)」)

今号の相談テーマ: 「借換えの時期が近いが、今の金利で借り直して返していけるか分からない」

償還予定表と試算表をお持ちください。借換えで支払利息がいくら増えるか、そのとき返済がどうなるかを30分で試算します(無料)。

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