山形県と福島県で新卒採用のコンサルティングを行っているハンズバリュー株式会社です。
新人コンサルタントとして、お客様に役立つ情報提供を頑張っています!
こんにちは、ハンズバリュー株式会社の津名久ハナコです。
今日も山形市の朝は冷え込んでいて、息が白くなるのを見ながら、いつものように自転車で会社に向かいました。
さて、今日は私たちが直面する問題、つまり『人財の退職を引き起こす能力のミスマッチ』についてお話ししたいと思います。
退職というと、多くの方が「人間関係が原因だろう」と考えがちですが、実はそれだけではありません。
確かに人間関係のトラブルも退職の大きな理由の一つですが、私たちが経営コンサルティングを行う中で見えてきたのは、そこに隠されたもう一つの大きな原因『能力のミスマッチ』です。
■ 人財の退職を引き起こす能力のミスマッチ
採用時には多くの企業が、その人の経歴やスキル、専門知識を重視します。
しかし、実際の業務においては、その能力が過剰であったり、逆に不足していたりすることが、予想外の退職を引き起こしているのです。
従業員本人だけでなく、チーム全体、さらには会社全体にも影響を及ぼします。
特に経営理念を大切にし、長期的な視点で人財を育成しようとする会社にとって、この問題は深刻です。
■ 職場における調和の重要性
一般的に、「人間関係が退職の原因」とされがちです。
…ただ、お客様から職場環境について相談を頂いて、調べてみると明らかな人間関係のトラブルは少ないです。(ゼロとは言いませんが)
しかし、実際には、表面的な人間関係の問題ではなく、その背後にある『能力のミスマッチ』が、間接的に人間関係に影響を与えていることがあります。
例えば、能力が非常に高い新人が入社したとしましょう。
しかし、その新人が配属された部署の上司や同僚の能力がそれに追いつかない場合、新人はフラストレーションを感じ、孤立することがあります。
これは、直接的な人間関係のトラブルというよりは、能力の差による間接的な不調和の問題です。
逆に、能力が低い新人が高い能力を持つチームに配属された場合、この新人は周囲についていけずに孤立し、やがて退職に至ることがあります。
このようなケースも、表面的な人間関係のトラブルではなく、能力のミスマッチによるものです。
これらの例からわかるように、職場における調和とは、単に良好な人間関係を築くことだけではなく、従業員の能力や役割が適切にマッチしている状態を指します。
この調和が保たれていると、従業員は自分の能力を存分に発揮でき、チーム全体のパフォーマンスも向上します。
■ 能力のミスマッチとは
では、「能力のミスマッチ」とは具体的に何を指すのでしょうか?
従業員の持つスキルや知識、経験が、その人が置かれた業務環境やチームの要求と合致していない状態を指します。
つまり、能力が過剰であったり、不足していたりすることで、その人が持つポテンシャルを十分に発揮できない状況のことです。
このミスマッチが発生すると、従業員は仕事に対して満足感を得られず、職場での自己実現が阻害されます。
結果として、モチベーションの低下や職場に対する不満が増大し、最終的には退職に至ることがあります。
能力のミスマッチは、単に「仕事が合わない」という表面的な問題ではなく、従業員と組織の双方にとって深刻な問題です。
■ 能力が合う場合と合わない場合の例
能力が合う場合、それはまるでパズルのピースがジャストフィットするかのようなものです。
例えば、上司も新人も能力が高い場合、互いに刺激を受け合い、成長を促し合います。
これは理想的な職場環境であり、お互いが気持ちよく働ける状態ですね。
しかし、能力が合わない場合の影響はとても大きいものがあります。
たとえば、能力の高い新人が能力の低い上司の下で働く場合、新人は自分の能力を発揮できず、フラストレーションを感じることになります。
逆に、能力の低い新人が能力の高い上司のもとで働く場合、上司はその新人の成長を促そうとするものの、結果として精神的なストレスを感じることになるかもしれません。
能力のミスマッチは、単に業務の遂行能力だけでなく、コミュニケーションやチームワークにも大きな影響を与えます。
■ 能力の高低と人間の価値
この話をお客様へ提案するとき、私たちはとても配慮します。
なぜなら、能力の高低で人間の価値を判断することは絶対にあってはならないからです。
人は誰しもが、それぞれ異なる才能やスキルを持っており、その価値は単純な能力の高低で測ることはできません。
重要なのは、その人が持つ能力や才能を適切な場所で発揮できるかどうか、そしてその人がその環境で成長し、満足を感じられるかどうかです。
能力のミスマッチは、その人の価値が低いから起こるのではなく、単にその場所がその人にとって適切ではなかったというだけのことです。
■ 会社に必要な人財の条件
会社が長期的に成長し続けるためには、ただ単に能力が高い人財を集めるだけでは不十分です。
大切なのは、その会社の経営理念や文化に合致し、共に目標に向かって歩んでいける人財を見つけることです。
つまり、『会社に必要な人財』とは以下のような条件を満たす人のことを指します。
① 経営理念に共感し、それを体現できる人
② チームワークを大切にし、協調性がある人
③ 柔軟性があり、変化に対応できる人
④ 長期的な視点で自己成長を続けられる人
⑤ 会社の目標達成に貢献する意欲がある人
条件は、単なるスキルや経験だけではなく、その人の価値観や人柄、態度にも焦点を当てています。
■ 自社に合った人財を見極める方法
では、こうした会社にとって理想的な人財をどのように見極めることができるのでしょう?
これには、以下のような方法が効果的です。
→ 採用プロセスにおける面接の工夫
面接では、技術的なスキルだけでなく、応募者の価値観や人生観についても深く掘り下げて質問します。また、彼らが過去にどのように困難を乗り越えてきたか、チーム内での役割はどのようなものだったかなど、具体的な経験に基づいた質問も行います。
→ 職場見学やトライアル雇用の導入
実際に職場の雰囲気を体感してもらうことで、応募者自身が自社に合っているかどうかを判断する機会を提供します。同時に、会社側も応募者の働きぶりを見ることができます。
→ 経営理念や企業文化を明確にする
応募者が自社の経営理念や文化を理解し、それに共感できるかどうかを見極めるためには、まず会社側がそれらを明確にし、積極的に発信することが重要です。
上記の方法を通じて、自社に合った人財を見極めることができれば、能力のミスマッチや価値観の不一致による退職を大きく減らすことが可能になります。
そして、それは会社全体の成長と発展に直結すると確信しています。
■ 採用前に考えるべきこと
採用を成功させ、能力のミスマッチや価値観の不一致を避けるためには、採用前に以下のポイントをしっかりと考える必要があります。
① 会社の現在地と目指すべき方向性
まず、自社が現在どのような状況にあり、将来どこへ向かいたいのかを明確にします。これが、採用する人財の方向性を定める上で非常に重要です。
② 経営理念と企業文化
自社の経営理念や企業文化に合う人財を採用することが、長期的な成功につながります。そのためには、経営理念や企業文化を具体的に言語化し、共有することが必要です。
③ 必要とされる能力と人物像
どのようなスキルや経験、人物像が自社にとって本当に必要なのかを考えます。単に現在の業務をこなせるだけでなく、将来的な成長や変化にも対応できる柔軟性や潜在能力を重視することが大切です。
④ 採用プロセスの見直し
採用プロセス自体が、自社の経営理念や企業文化を反映し、必要とされる能力や人物像を正確に評価できるものになっているかを見直します。面接方法の工夫や、職場見学、トライアル雇用なども検討する価値があります。
これらを考慮することで、採用後のミスマッチを減らし、社員と会社が共に成長していくことが可能になります。
■ まとめ
これまでの話を総まとめすると、人財の退職を引き起こす能力のミスマッチは、単に技術的なスキルの不一致だけでなく、経営理念や企業文化、価値観の違いからも生じることがあります。
そのため、採用プロセスにおいては、技術的な能力だけでなく、人物像や価値観にも注目し、自社に本当に合った人財を見極めることが重要です。
また、自社の経営理念や目指すべき方向性を明確にし、それを採用プロセスや職場環境に反映させることで、長期的な視点で社員と会社が共に成長し続ける土壌を作ることができます。
最後に、能力の高低で人の価値を判断することなく、それぞれの人財が持つ個性や才能を最大限に活かすことが、会社にとっても社員にとっても最良の結果をもたらすということを忘れてはなりません。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!