顧客インタビュー|ホテルきぬ

ウリを上手く打ち出せなかった当館、『ご当地ブランド牛の宿』を掲げて個性化したら、予約が増え、売り上げもアップしてきました。

ハンズバリュー お客様に聞く

栃木県日光市の鬼怒川温泉に宿を構える温泉旅館「ホテルきぬ」。同館専務取締役の渡辺常幸さん(44歳)に、つなぐホームページへの評価など、詳しく伺いました。

目次

温泉旅館「ホテルきぬ」について

– 「ホテルきぬ」について教えてください。

「ホテルきぬ」は、私の父と叔父、叔母3人で昭和36年に鬼怒川温泉で立ち上げた温泉旅館。

部屋23室、宴会場1室を備えています。現在は、オーナーシェフとして厨房にも立つ私と、大女将である母、若女将を務める私の妻の3人が中心になって、旅館を運営しています。

露天風呂を備えた「ホテルきぬ」

「閑散期に宿泊料金を値上げ、それでも予約が増えた」

– ハンズバリューには、どういったことを依頼されましたか。

宿泊プランの企画立案とホームページリニューアルをお願いしました。

– 現在、売り上げ、集客の方はいかがですか。

2016年12月末にホームページをリニューアルしてから現在まで約2カ月半、閑散期の1月~3月に宿泊料金を値上げしたにも関わらず、予約が増え、売り上げは昨年より改善、2月は2割アップしました。
ホームページリニューアルや宿泊プランの見直しは、島田さん(ハンズバリュー代表)から提案された「とちぎ和牛と霧降高原牛を満喫できる温泉宿」というコンセプトに沿って行いました。

「ホテルきぬ」では、じゃらん.net、楽天トラベルなどを通じて集客しています。予約の大半はじゃらん.net経由です。特に予約が増えた土曜日について言うと、去年の2月は、料金を割り引いてやっと目標予約数をクリアしましたが、今年は、目標数を早い段階で達成、平均宿泊単価は前年度比2000円アップしました。また、集客経路別で見ると、楽天トラベルの2月の集客数が去年の2倍になり、楽天トラベルの利用を始めてから7年ぐらいの間で、最大の集客数になりました。当館の集客の柱はじゃらん.netなので、これまで楽天トラベルにはあまり力を入れていなかったのですが、今回、楽天トラベルのページのデザイン、宿泊プランなどをリニューアルしたホームページに合わせて変更したところ、こういう結果になりました。

閑散期にこれだけの結果を出せたので、繁忙期が楽しみです。夏休みには、もっと宿泊料金を上げてみようかと考えています。

ハンズバリューを利用するまでの経緯

– ハンズバリューを利用するまでの経緯をお聞かせください。

ここ数年、当館は良くない状態が続いていました。
バブル経済崩壊、地元銀行の経営破たん、リーマンショック、東日本大震災と、大きな試練が重なり、売り上げはバブル期の三分の一~四分の一ぐらいに落ち込み、横ばい状態。「ホテルきぬ」は、露天風呂や小さな宿ならではのきめ細かな接客が特長でしたが、これらは他にない強み・個性というほどのものではありません。強いウリを上手く打ち出せなかったため、高めの料金の宿泊プランは設定しにくく、お客様の集まりが良くない時は、値引きして集客せざるを得ませんでした。こういう状況から、なかなか経営計画通りにホテル運営を進められずにいたところ、銀行から紹介されたのが島田さん。信頼できる所からの紹介で、ネットにとても詳しい方だったし、宿泊プランづくりやホームページリニューアルをお願いしてみることにしました。

「ご当地ブランド牛の宿」とは

– 先ほど、つなぐホームページ(島田)から、「とちぎ和牛と霧降高原牛を満喫できる温泉宿」というコンセプトの提案があったと伺いました。具体的に、どんな宿として売っていこうという提案でしたか。

とちぎ和牛も、とちぎ霧降高原牛も、美味しさに定評のある地元栃木県産のブランド牛肉。宿泊されるお様全員に霧降高原牛をご提供したり、とちぎ和牛を楽しめる宿泊プランを用意したりなどして、「ホテルきぬ」を、栃木ならではの旨い肉が味わえる宿として売っていこうとのお話でした。宿の個性化に合わせた、これまでより高めの料金の宿泊プランも考えていただきました。

– 「ご当地ブランド牛の宿」という売り方や、高めの宿泊プランなど、いかがでしたか。

イケると思いました。
霧降高原牛は、以前から使っていた食材でしたし、良質な肉を使えば、凝った調理をしなくてもお客様に肉の美味しさを堪能していただけますから、「ご当地ブランド牛の宿」を実現するのは、そう難しくない。
また、個々の宿泊プランは、美味しいお肉が楽しめる上に、それぞれプラスアルファの魅力を加えた内容でした。例を挙げると、「赤ちゃん連れのご家族向けプラン」は、2歳未満のお子様は「宿泊料なし」で、赤ちゃん用品の無料レンタルサービス付き。内容の充実度からして、高めの宿泊料でも、お客様に納得していただけると考えました。

それから、ありがたかったのは、コンセプトだけでなく、宿泊プランも、これまでやってきたことなどを生かす形で企画していただいたこと。これなら、新たな投資や手間はほとんどなしで、取り組める。例えば、提案された「高齢のお客様向けプラン」は、以前の同様のプランをブラッシュアップしたもの。以前のプランで行っていた湯呑みプレゼントをやめ、食事のボリュームを抑える代わりに、”とちぎ和牛と冷酒1本提供”を目玉にしたプランでした。

また、大半のプランに付けた「7大特典」は、お荷物無料預かりや無料駐車場など、それまでも提供していた、ささやかなサービスをまとめたものでした。
実は、この「7大特典」には、エピソードがあります。正直言って、ちょっとしたサービスを「7大特典」として掲げると提案された時は、「こんなのが特典?」と首をかしげたのです。ところが、実際にホームページなどで特典として紹介したところ、荷物を預けられるお客様が3割増加し、土曜日の駐車場は、ほぼ満車状態になりました。”なんてことない”と思っていたサービスが、お客様にとっては価値あるものだったわけです。驚きました。何気ないサービスの「7大特典」を加えることで、お客様目線で、より魅力的なプランになったんだと分かりました。

あれこれ検討してみて「ご当地ブランド牛の宿」という売り方もプランも納得できたので、この路線に沿ってホームページもリニューアルすることにしました。

「ホームページの写真、文章はお任せで」

– ホームページのリニューアルの方は、いかがでしたか。

つなぐホームページの写真撮影、文章作成代行サービスを利用し、ほぼ全面的に、お任せしてリニューアルしました。
完成したホームページを見て、まず、良かったのが、トップページの「とちぎ和牛と霧降高原牛を満喫できる小さな温泉宿」というキャッチコピー。背景に使った美味しそうなお肉の写真も手伝って、アットホームな雰囲気の中で絶品肉をゆったり楽しめる「ご当地ブランド牛の宿」感を強くアピールできました。

艶やかな肉の写真で「絶品肉の宿」感を出したホームページ

それから、写真の仕上がりが素晴らしかった。料理は、脂の乗った霧降高原牛の艶やかさ、姿造りの瑞々しさなどが伝わるように撮っていただきました。

美味しそうな料理の写真、集客を後押し

部屋の写真も、高く評価できました。写真に居心地がよさそうな感じ、静かで落ち着いた空気感がよく出ていました。この部屋の写真で、かなり集客できたのではないかと考えています。

そして露天風呂。巨岩を使った露天風呂の迫力が感じられる写真を見て、「うちの露天風呂、こんなにステキだったんだ」と再認識。露天風呂と大浴場の写真中心に構成した「温泉」のページは、趣のある露天風呂と清潔で広々とした大浴場の雰囲気が伝わってくるものになりました。

 

実際のページはコチラ
「お部屋・館内」のページ、 写真で居心地の良さを伝える
「温泉」のページ、 写真中心にして露天風呂の魅力を前面に

どんなアドバイスがあったか

アドバイス1:大量に「お客様の声」を集める
– リニューアルに際し、つなぐホームページからのアドバイスなどはいかがでしたか。

いろいろありました。
主なものを挙げてみると、まずは、霧降高原牛についての「お客様の声」を積極的に集め、ホームページに掲載すること。「美味しかった!」などのコメントがたくさん集まれば、”美味しいご当地ブランド牛を満喫できる宿”として、一層強力に差別化できるからとのことでした。

「お客様の声」
ところが、お客様にアンケートへのご協力をお願いしたところ、当初は、「米がとても旨い」「朝、ホテルの屋根に猿がいた!かわいかった!」「直前の予約だったのに、サービス良かった」など、霧降高原牛以外のことについてのコメントが集まりました。でも、これはこれで良かったんです。お客様の声が、当館の魅力を裏付けてくれましたから。今後、自館ホームページ経由の集客に力を入れる予定なので、こうしたコメントもホームページに掲載して、次の集客につなげていければと考えています。
– 霧降高原牛へのコメント集めの方は、どうされたのですか。

島田さんのアイデアで解決しました。アンケートを書いていただくテーブルに、霧降高原牛を紹介したポップを置いたり、アンケート用紙に、「霧降高原牛へのコメントをお願いします」の付箋を貼ったりしたんです。そしたら、ちゃんと霧降高原牛についての感想をいただけるようになりました。

アドバイス2:宿のシンボル「梅の古木」をモチーフに
– デザイン面などのアドバイスは、いかがでしたか。

梅をモチーフにするよう提案されました。
当館には樹齢が100年を超える梅の木があって、宿のシンボル的存在なんです。ホームページは、墨絵風の梅の木のイラストや、家紋のような梅の花のマーク、梅の画像などを使って、「梅の木がある小さな和風の宿」という雰囲気に仕上げていただきました。「ホテルきぬ」らしさが出せました。

アドバイス3:部屋数の在庫一元管理システムなど導入
− それからもう一つ、非常に助かったのが、自館予約システムと部屋数の在庫一元管理システム導入を勧めていただいたこと。

自館予約システムは、楽天トラベルが提供している無料のものです。これらのシステムを導入したおかげで、自館、楽天トラベル、じゃらん.netのそれぞれの部屋数の在庫を一括して管理できるようになりました。導入以前は、3つのサイトの在庫を別々に管理していたので、特に、予約が集中しがちな土曜日は手間がかかって大変でした。管理しきれなくなって、メインの集客経路であるじゃらん.netを稼働させて、楽天トラベルはストップすることもありました。売り逃したお客様も、少なくないでしょう。もったいないことをしました。今では、そんな『売り逃し』はありません。一元管理システムで、3つのサイトの在庫管理がラクに速くできるようになり、他の作業に使える時間が増えました。

ハンズバリュー(島田)への評価

− 今日までを振り返り、ハンズバリュー(島田)への評価をお聞かせください。

繰り返しになりますが、当館のこれまでやってきたことを踏まえて、コンセプトや宿泊プランなどを提案していただいたので、無理なく新機軸を打ち出せました。細かいところまで考え抜いて提案いただいたと、感謝しています。また、島田さんはネット集客のプロですが、写真撮影の腕も確かな方。撮影までお願いして正解でした。

今後の期待

−つなぐホームページ(島田)への今後の期待などあれば、お願いします。

これからは、自館ホームページの集客に力を入れたいと考えています。宿泊予約サイトのような手数料が発生しないだけ、利益が大きいですから。島田さんからは、自館ホームページに集客するために、ネット広告出稿を検討するよう言われています。挑戦してみるつもりです。島田さん、ネット広告についても提案してください。今後ともよろしくお願いします。

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