【週刊島田慶資 軽量版】不確実性をチャンスに変える、エフェクチュエーションによる成長戦略

 

山形県と福島県の認定支援機関及び山形県のM&A認定機関の人を活かす経営のハンズバリュー株式会社の新人経営コンサルタント、津名久はなこです。
メールマガジン【週刊島田慶資】の内容を公開します!

チェックしてみてください!さっくり読めるオススメの過去ブログです。

❶【SNSでの注目を集めるコツ】運だけではない、計画的な取組をご紹介!

https://tsunagu-hp.jp/archives/9065

❷【ネットショップ】同梱チラシの秘密!ネットショップの売上を加速させる隠れた戦略を公開

https://tsunagu-hp.jp/archives/9004

 

皆様、こんにちは!
ハンズバリュー株式会社の島田です。

メールマガジンの感想、お待ちしております!
「読んでるよ」と言っていただければ励みになります(^_^)

【独り言コーナー】

❶山形県のDX推進計画策定事業にて島田が支援した株式会社山本製作所様が、島田と共に報告会で登壇します。参加費は無料ですので、ぜひご参加ください。

https://local-iot-lab.ipa.go.jp/article/yamagata-pref-iot-2401161724.html

❷山形県中小企業家同友会の青年部3月例会のゲストを募集しています。若手経営者とベテラン経営者がガチンコで討論。
激論を交わして経営の本質に迫る内容です。島田とグループ討論したい方、大募集中です。参加、お待ちしております。

http://tinyurl.com/27tcrnpl

❸尊敬するティスコ運輸の菅原社長様から「経営理念には、自社が選ばれる理由が明記されるべき」と教えていただきました。深い!本当に深い!

❹山形市・佐藤市長の講演を聞きました。開発進めている山形北IC付近には、半導体工場を誘致したい考えとのこと。
付加価値の高い企業が進出してくださるのは有り難いですが、人手が吸収されませんかね。
半導体工場誘致で先行している熊本は地元企業が人材獲得で苦戦していると聞きました。

❺坊やがご飯食べたくないときに、駆け引きを使うようになりました。知恵をつけているようで複雑です。

【今週の教訓】努力の透明性法則: 目標に向けて懸命に努力するほど、その戦略は明確になり読みやすくなる。

『努力の透明性法則』は、競争相手が明確な目標に向かって努力している場合、その行動パターンや戦略が予測しやすくなるという現象を表しています。
皮肉ではありますが、目標達成のために一生懸命働いているほど、その動きや意図が透明になり、相手から対策が立てやすくなってしまいますね。

競争相手の行動を分析し、適切な戦略を立てる上での一つの鍵となりますね。

ご参考ください。

勘頭言

不確実性をチャンスに変える、エフェクチュエーションによる成長戦略

企業成長の新たなパラダイム、エフェクチュエーション

神戸大学大学院の吉田満梨先生による「エフェクチュエーション」についての論文を読みました。
不確実性にチャンスを見つける面白い考え方で、中小企業も採用を検討すべきだと考えます。

今週の巻頭言は、不確実性をチャンスに変える、エフェクチュエーションについて共有したいと思います。

エフェクチュエーションとは?

「エフェクチュエーション」は、不確実な状況下で限られたリソースを活用し、具体的なアイデアを生み出して迅速に実行に移す考え方です。
バージニア大学のサラス・サラスバシー教授が熟練した起業家の意思決定プロセスを研究し、その結果を基に提唱しています。

従前の成長戦略は…

従来、多くの企業は外部環境を詳細に分析し、可能な限り最善の戦略を予測するアプローチを取っていました。
しかし、この方法は一定の予測可能性がある状況下でのみ有効であり、新型コロナウイルス感染症の拡大時のような、極めて不確実性が高い状況では、いくらデータ収集やリサーチを行っても、自社にとって有益な機会を見出す保証はありませんし、合理性を期待することも難しいでしょう。

エフェクチュエーションを活用した成長戦略は…

一方で、エフェクチュエーションは、不確実性を前提とし、現在手元にあるものを用いて、機会を探り、アイデアを実行に移すことに焦点を当てます。
この考え方は、不確実性の高い状況下でも柔軟かつ迅速に行動することを可能にし、新たな機会の創出します。

エフェクチュエーションの適用

エフェクチュエーションは、因果関係に基づく従来の戦略立案とは異なり、与えられた自前の経営資源から出発し、実行可能な目標を設定します。

具体的には、次の五つの原則に順番に基づいて意思決定を行います。

→ 『手中の鳥の原則』:手元にあるリソースと能力から思考をスタートし、それを最大限に活用します。
→ 『許容可能な損失の原則』:リスクを取る際には、失っても許容できる範囲の損失に留めます。
→ 『クレイジーキルトの原則』:利用可能なリソースや人脈を駆使して、小さな成功を積み重ねていきます。
→ 『レモネードの原則』:予期せぬ事態や障害を機会と捉え、それを利点に変えます。
→ 『飛行機のパイロットの原則』:将来を予測するのではなく、自身の行動によって未来を形作ります。

エフェクチュエーションは、単なる戦略的アプローチに留まらず、未来を形作るための積極的な姿勢です。

エフェクチュエーションを実践しようとすると次のようになる

エフェクチュエーションの実践は、自己の能力、知識、人脈、そして行動可能な範囲を深く理解することにあります。

①スタートは、自前資源の認識と活用

まず、自己のアイデンティティ(自分は何者か)、知識(何を知っているのか)、ネットワーク(誰を知っているのか)を見つめ直し、これらを活用することから始めます。
エフェクチュエーションでは、リスクを受け入れる際にも、失うことが許容される範囲内で行動をとることが推奨されます。

②新たな機会の発見とパートナーシップの構築

上記の自己資源を基に、新しい製品や市場を探求し、それらに関わる人々とのパートナーシップを築いていきます。

偶然の出来事や、予期せぬ機会も積極的に取り入れ、それらを自社の利益につなげる柔軟性が求められます。
目的や手段が変化することもあり得ますが、それらの変化を受け入れ、利用することで新たな可能性が開けます。

③パートナーシップとの相互作用の重要性

行動を通じてのみ生じる他者(お客様を含める)との相互作用を重要視します。
相互作用を通じてパートナーとなる関係が築かれ、さまざまなコミットメントが交換されます。

例えば、顧客が製品やサービスを購入することは、お客様のコミットメントの一形態と捉えます。
商品を利用する中で満足すればお客様が新たな顧客を紹介することも考えられるでしょう。
そうなるとお客様は、顧客と流通パートナーと2つの立場を持った関係性になります。

発展していく相互作用を通じて、企業は何ができるかの範囲を広げ、より大きなビジネス機会を創出します。

④未来を創造する

エフェクチュエーションは、未来を予測するのではなく、自分の行動を通じて未来を創造するという考え方です。
そのため、①から③を繰り返し、自分がコントロール可能な要素に焦点を当て、望ましい結果へと導くための行動を取ります。

まとめ

エフェクチュエーションのプロセスを通じて、企業は自身の資源を活用し、新たなパートナーシップを構築し、そして不確実性の中でも積極的に未来を形作っていく力を養うことができます。
この考え方は、企業が直面する様々な課題に対して、より柔軟で効果的な対応を可能にすることでしょう。

革新的なビジネスモデルを追求には、大きな価値があるかもしれません。
ご参考ください。

 

敬具

ハンズバリュー株式会社
代表取締役 島田慶資

実店舗に効く話

品薄商法の逆説、ローソンの盛りすぎチャレンジから学ぶマーケティング戦略

ローソンの「盛りすぎチャレンジ」をマーケティングとして考えてみる

ローソンが全国47都道府県で展開する「盛りすぎチャレンジ」は、ロールケーキなどの人気商品を47%増量して提供する斬新なキャンペーンです。
人気商品が大盛りになっているため、SNSでの注目を集め、一部では「品薄商法」として炎上している状況があります。

この品薄商法をマーケティングの観点から考えてみましょう。

品薄商法と顧客行動

ローソンの『盛りすぎチャレンジ』は、特定の商品に対して大幅な増量を提供することで、消費者の関心を引き、SNS上での話題性を高めています。
しかし、実際に購入できる人が少ない状況が、「品薄商法」として炎上の一因となっているようです。

品薄商法は、商品の希少性を高めることで、消費者の購買意欲を刺激します。
と、同時に消費者の間での情報共有を促進し、SNS上での自然なバズを生み出していますね。

品薄商法と行列の心理学

ローソンの盛りすぎチャレンジに見る品薄商法の影響は、供給を意図的に限定することで商品の希少性を高め、消費者の興味と購買意欲を刺激する戦略の一例です。
特にSNSを通じて情報が共有される現代において、顕著な効果を発揮します。

行列が形成されることは、単に商品が人気があるためではなく「行列があること自体がさらなる注目を集め、人気を創出する」という心理的な逆説を体現しています。

このメカニズムは、人々が他者の行動や選択を参考に自分の判断を下す社会的証明の原理に基づいています。
つまり、多くの人が何かに注目している、あるいは求めていると見ると、その対象が価値があると認識され、さらに多くの人々がその対象に惹かれるようになります。

ローソンのキャンペーンでは、限定された供給が行列を生み出し、この行列が商品の魅力を際立たせ、消費者の間での話題性を増幅させているのです。

行列の作り方と顧客満足度の向上

意図的な供給抑制により、あらゆる企業が行列を作り出すことは可能です。
ローソンの「盛りすぎチャレンジ」や、飲食店が実施する「数量限定提供」が挙げられます。

特に、飲食店では、限定メニューを用意し、その日の提供量を明示することで、顧客に次回の早い来店を促す動機付けを行います。
核心は、行列を形成することによって顧客の期待値を高め、それを次回来店のインセンティブに変える点。

例えば、あるレストランが一日に提供する料理の数を十食に限定した場合、その十食が売り切れ次第、待っていた顧客はその日のサービスを受けられなくなります。
ここで重要なのは、この状況が顧客満足度の低下を意味するのではなく、むしろ次回の来店への期待を高める契機となることです。

一方で、待っているすべての顧客に対して供給を行うと、商品の希少性が損なわれ、結果として顧客満足度は低下する可能性があります。
顧客が「次回はもっと早く来て、この体験を味わいたい」と感じなくなると、行列を作る努力が逆効果に終わることもあります。

ローソンのキャンペーンや飲食店の限定提供の成功事例から学べることは、行列を形成することが単に人気の証ではなく、行列そのものが更なる人気を生み出し、顧客の期待値を高める循環を生み出すことができるという点。

行列を作る店舗は、単に行列ができるから人気があるわけではなく、行列を作ること自体がさらなる行列を生むという、自己強化のサイクルを生み出しているのです。

供給戦略を通じて顧客の期待を管理し、満足度を最大化する方法は中小企業にとって戦略の一つとして選択肢にあっていいでしょう。
顧客が次回も同じような価値ある体験を求めて再来店するように仕向けることが、長期的な顧客関係の構築とビジネスの成功につながります。

参考にしてみてください。

偏集考記

帝国ホテルで5,000円、自宅では50円? コーヒー一杯が教える価値創造の極意

高級コーヒーの価格の謎、同じ豆でも場所が変われば価値も変わる

皆様にお伝えしたいのは、弊社がサポートしている事業者様が扱うコーヒー豆にまつわる非常に興味深い事例です。
この豆を使って帝国ホテルで提供されるコーヒーは1杯5,000円もするようです。

しかし、驚くべきことに、この同じ豆で自宅でコーヒーを淹れると、コストは1杯50円程度です。

販売場所による価格の違い

この話から学ぶべきは、「どこで売るか」によって同じ商品の価値が大きく変わることがある、という点でしょう。

帝国ホテルでの価格と自宅でのコストを比べることで、場所が商品の価値にどれほど影響を与えるかがはっきりとわかります。
もちろん、コーヒーを淹れる人の腕前や使う水の品質などの違いもあるでしょうが、価格の大きな違いの主な理由は「どこで売るか」にあります。

経済の基本原則、場所が価値を決める

この事例は、商品をどこで販売するかが、その商品の価値を大きく左右するという経済の基本原則を示しています。

とある脳科学者の研究によれば、多くの情報を含む商品ほど高い価値を持つとされます。
多くの情報が含まれた商品≒付加価値の高い商品と置き換えることができるでしょう。

商品にどれだけの付加価値(情報)をつけるかということ。

 

私たち中小企業の経営者は、ほどほどの品質を高く売るのが基本。
価格を最大化する方法を常に考えるべきではないでしょうか。
コーヒー豆の事例から、商品の価値をいかに高めるかについてのヒントとなれば幸いです。

 

商品やサービスの価値をどのように最大化するかを考える際に、この事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

皆様が自身のビジネスにおける商品やサービスの価値を高めるためのアイデアを見つけることができれば幸いです。
場所と顧客によって商品の価値が変わるというこの原理を理解し、上手に活用していくことが、ビジネス成功への鍵となるでしょう。

それでは、またお会いしましょう。
今日も一日、良い学びを。

 

ハンズバリュー株式会社の島田慶資でした。

 

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島田 慶資 代表取締役・作家
ハンズバリュー株式会社の代表取締役 島田慶資(しまだけいすけ)です。 山形県と福島県に拠点をおいて活動しています。資格はITコーディネータ、経営情報システム工学修士。 お客様に未来に向かって確かな価値をつくることを理念にかかげて、未来志向の提案助言をしています。 今後ともよろしくおねがいします。

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