山形県と福島県の認定支援機関及び山形県のM&A認定機関の人を活かす経営のハンズバリュー株式会社の新人経営コンサルタント、津名久はなこです。
メールマガジン【週刊島田慶資】の内容を公開します!
【島田の”勘”頭言 中小企業の採用戦略】
インターンシップの季節がやってきています。
山形県中小企業家同友会から、「山形大学の低学年向けインターンシップ説明会※」に関するメールが届いています。
また、山形労働局職業安定部職業安定課から「令和 5 年度 高校生を対象としたインターンシップ受け入れに係る情報提供の依頼※」が届いています。
※島田まで直接連絡いただければ情報提供します。
【人手不足問題と採用戦略の重要性】
現在、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。
例えば、山形の観光・宿泊・飲食店では、ゴールデンウィークにお客様が来館することが分かっていても、十分なサービス提供ができず、稼働を制限せざるを得ない状況があります。
「スタッフさんがいたら、もっと売上とれていたのに…」と嘆く事業者様は多いです。
だからといって、採用基準を甘くして人手をかき集めると、ミスマッチでよけい苦しくなることは経験されている方も多いのではないでしょうか。
【パラダイムシフト:人材確保と育成こそが成長への鍵】
極端な言い方になりますが、人材確保と育成こそが企業の発展・成長に重要であるという考え方の変革(パラダイムシフト)が求められています。
自社の強みや成長の方向性から、どんな人物が相応しいか考え、どうすれば出会えるのか戦略を立てましょう。
さらに、適切な研修や教育プログラムを通じて、社員の能力を最大限に引き出すことが大切です。
「そんなこと、わかっとるわい!」と叱られそうな地道な活動でしょうが、それ以外方法はありません。
ご参考ください。
実店舗に効く話「2種類の事業形態」
今回は「見込み事業」と「受注事業」の特徴をご紹介し、それぞれの事業に適した基本戦略について解説いたします。
【見込み事業の特徴】
大儲けと大損が背中合わせで、不安定さが特徴の事業です。
以下にその特徴を挙げます。
• 設備投資が必要で、多額の資金が必要です。
• 高収益が見込める反面、大きな損失を被る可能性もあります。
• 不特定多数の顧客が対象となります。
• 商品やサービスの質によって、成功か失敗かが決まります。 特に小売業は、徹底的に商品にこだわりましょう。
• 見積もりがない場合が多いです。
• 事業の成長や拡大には、新商品の開発が欠かせません。
• 狩猟型のビジネスであり、感性を重視するため、鈍感な人には向きません。
• 販売方法は多岐にわたります。
• 一般的に、変動費が多く、固定費が少ない傾向があります。
• 商品が売れないと、倒産する可能性があります。
代表的な事業:食品、アパレル、建売住宅、飲食、ホテル温泉旅館、一般小売、一般商社
【受注事業の特徴】
儲からないが安定していることが特徴の事業です。
以下にその特徴を挙げます。
• 多くの場合、設備投資は必要ありません。小さな資本で開始できます。
• 安定しています。冒険はありません。
• 特定の少数の顧客に対応しています。
• 技術力、企画力、納期、価格、サービス、人間関係など、形のない商品を売っています。
• 相見積もりをとられます。
• 事業の成長と拡大は、新しいお客様の開拓によって実現されます。
• 勤勉であることが必要です。
• 販売方法は、注文を受けるスタイルです。
• 一般的に、固定費が高く、変動費が低くなります。
• 倒産の原因は、顧客に嫌われることです。
代表的な事業:大型設備機器、建設、土木、運輸、注文住宅、印刷、設計、デザイン、IT、OEM 生産事業
【見込み事業と受注事業の経営戦略】
自社がどちらの事業か見抜いて、特徴を捉えた経営をおこなうことが肝要です。
以下、ポイントをご紹介します。
【見込み事業の基本戦略】
• 販売網を自社中心に構築することが重要です。自立した営業が不可欠です。
• 商品の柱は 5 つあると望ましいです。
• 複数の販売方法を確保することが必要です。
• 新しい商品の開発を怠らないようにしましょう。
【受注事業の基本戦略】
• 価格、技術、品質、企画、サービスに重点を置くことが大切です。
• お客様との人間関係、コネクション、紹介を大切にしましょう。
• お客様から嫌われないように注意しましょう。
• なお販売網が限られている中小企業は、受注事業であることが多いです。
【まとめ】
見込み事業と受注事業は、それぞれ異なる特徴と経営戦略が求められます。
自社の事業タイプを正確に把握し、適切な戦略を立てることで、事業の成長と安定を実現できるでしょう。
皆様の経営にお役立ていただければ幸いです。
偏集考記
今回は見込み事業と受注事業の特徴についてご紹介しました。
その他にも、業種別に粗利率が異なることや事業者様の視点から見た業界の特徴など、さまざまな視点で事業を考えることができます。
【業種別原価率の違い】
例えば、業種によっては原価率がおおよそ決まっていると言われています。
飲食業では一般的に 30~40%程度の原価率が見込まれる一方で、製造業では 40~50%程度と言われています。
このように、業種によっておおよそ原価率がそのレンジに落ち着くことを理解し、「いかに金を残すか?」を考えるべきなのでしょう。
【事業者様の視点からの新しい気づき】
事業者様からすると、これらの情報は既知のものかもしれませんが、改めて業界の特徴や事業構造を考えることで、新しい気づきやアイデアが生まれることがあります。
例えば、自社の事業が見込み事業と受注事業のどちらに該当するかを再確認し、それに見合ったマーケティング戦略や人材育成に取り組むことです。